チームには、相乗効果ということばにもあるように、
一人一人の力が一致協力し、大きな力を生み出すことで、
個人では解決不可能なものを、解決できるという素晴らしい魅力があります。
しかし、機能しているチームと崩壊していくチームがあるのも事実。
その違いとは何でしょうか?
実は、崩壊するチームには、崩壊するチームの原因があります。
多くの崩壊するチームは、その原因、落とし穴に気づかないため、
気づいた時には「時すでに遅し」になるわけです。
今回は、「時すでに遅し」とならないために、
「チーム崩壊の落とし穴と防御方法」について、
心理学と行動経済学の観点からお伝えします。
社会的手抜き
「自分ひとりくらい」という落とし穴
心理学用語に「社会的手抜き」ということばがあります。リンゲルマン効果とかフリーライダー効果とか、もっというと社会的怠惰とも言います。
フランスの農学者のマクシミリアン・リンゲルマンが、
集団作業時の一人あたりのパフォーマンスを数値化して、
「集団が大きくなればなるほど、一人当たりのパフォーマンスが低下する」
現象を、明らかにしました。
例えば、、、
チームで庭の草むしりをするとします。
3人のチームでやれば、10時間かかる作業だとすれば、
10人でやれば、机上の計算上で行けば、3時間以下になるはずです。
しかし、実際には、10人でやると、3時間以上かかる。
ということなんです。
何故こんな現象が起きるかというと、
3人のチームの時は、
「自分がやらねば」と思い行動しますが、
10人のチームになったことで、
「自分ひとりくらい、やらなくても大丈夫だろう」という心理的作用が働き、
最終的に1人当たりのパフォーマンスが下がるということなんです。
これが落とし穴です。
「自分ひとりくらい」という心理的罠がひとりひとりの心に芽生えるのです。
この甘い罠の先に、知らず知らずに大きな問題が迫り、やがてチーム崩壊になる。
最悪のシナリオですが、現実ある話です。
(余談ですが、、、)今の日本の未来が最悪のシナリオにならないことを祈るばかり、、、。
では、この落とし穴にはまらないために、どうするといいでしょうか?
それは、メンバーの当事者意識を高めることです。
もちろん、「当事者意識をもて!」と周りから言われて、簡単に持てるものではありません。
ポイントは、当事者意識が高められる「仕組み」をチームに埋め込むことなんです。
では、その当事者意識を高める仕組みづくりのポイントを3つご紹介します。
当事者意識を高める3つのポイント
(1)少数精鋭のチームをつくる
1つ目は、「チームの人数」です。
チームを細分化することで、メンバーとチームの距離を近づき、当事者意識が高まります。細分化し、このチームで絶対に達成させよう!と言う風潮を作っていきましょう。
今のコロナの例でいうと、国や地域が自粛要請をしたからと言って、国民の行動に浸透しないのは、単に当事者意識がないからです。
家族という小さなチームまで落として、家族のチームリーダーが、家族会議に落とし込んで、当事者意識を促していくことが、今求められていることだと思います。
うちの家族からは、絶対にうつることもうつすこともないように徹底しようね。
とみんなで誓い合うことです。
(2)責任の所在をはっきりとする
2つ目は、「責任の明確化」です。
責任の所在が曖昧になると、当然一人一人の当事者意識も低下していきます。
今回のコロナを例にすると、分かりやすいですね。
自分にうつっているかも分からないし、いつうつしたかも原因も特定しにくい特徴があります。
かなり責任が曖昧なんですね。コロナだと特定されるまでかなり時間もかかります。
では、その曖昧な責任をどう明確に落とし込むかです。
それは、コントロールできるもの、明確にできるものに、責任を持たせることです。
つまり、行動基準を明確にすることに視点を変えることです。
例えば、手洗いうがいの徹底。
日々の生活行動を基準化など、、、
そうすることで、行動できてるかできていないかが、見える化できるようになります。
これを自分たちでルール化することから始めましょう。
(3)参加意識をつくる
3つ目が、「参加意識」です。
様々な意思決定が自分とは関係ないところで進んでいると、チーム全体のことがだんだんと他人事のようになっていきます。
みんなでしっかり話し合うことから始めましょう。
また、ルールを決めていく上でポイントがあります。
「良い意思決定」「正しい意思決定」に囚われすぎずに、
「強い意思決定」「早い意思決定」を心がけ、進めていきましょう。
結局は行動してなんぼです。
チームでやろうと決めれば早速始めましょう。
やりながら、改善を繰り返し、精度を高めていくことがとても大事です。
まとめ
チームには、、、
- 「社会的手抜き」という落とし穴がある。
- 「自分ひとりくらい」という心理作用が働く。
キーワードは、「当事者意識」を持つこと
そのために、、、
- 「チームの細分化」
- 「責任の明確化」
- 「参加意識」
を仕組み化させることでした。
主観的に感情に囚われずに、
基準を明確にしていくことで客観的な判断が可能となります。
このコロナという大きな課題を乗り超えるには、何よりチームの力が重要です。
今日も素敵なチームライフを!